ホタテ貝は東北・北海道地域で産出され、これらの地域の主要産業となっている一方、年間約21万トンの貝殻が廃棄物となり、処理問題が生じていました。この問題を解決することが起源となり、ホタテ貝殻の有効利用を目的とした20年余りの研究により、セラミックス化による有害化学物質の削減・分解・抗菌・消臭・防虫などへの幅広い効果が各分野で実用化されています。
また、近年課題となっているCO2削減への対策として、ホタテセラミックスのCO2吸収効果については、すでに研究が進んでおり、2050年のCO2フリー宣言を実現する施策のひとつとして、CO2活用産業を積極的に事業化することで、カーボンマイナスコンプレックスの構築を推進していきます。
生菌率(%)
ホタテ貝殻セラミックスの成分である酸化カルシウムと水酸化カルシウムは空気中に放置すると、二酸化炭素と反応し、炭酸カルシウムに戻ります。3ヶ月間の実証実験の結果から、約7年間は軽減効果が持続すると推定しています。
農林水産業における廃棄物や残渣の再資源化(有価値化)を推進するための施策として、エネルギーシステム融合による新たなビジネスモデルの構築を進めています。 生産コストの低減とCO2排出削減によるブランド効果も期待できるモデルとして、カーボンマイナス・コンプレックスの創出を目指します。
すでにベトナムにおけるエビ養殖場をモデルにした再資源化実証試験を実施しており、すでに研究が進んでいる農業残渣などのバイオマス廃棄物から付加価値(電力及びバイオ液肥など)を生み出す高度処理プロセスの実証に向けて様々な取り組みを支援しています。このシステムを利用することにより、農業残渣を集約的に回収できる産直市場を有効活用することができるため、産直市場との組み合わせによる事業性が確保できるビシネスモデルを構築することを想定しています。